徹底した水質管理

透析にとって水は最も重要と言えます。当施設では最新のRO装置を導入し、患者監視装置末端の微粒子除去フィルター前でETが検出感度以下の、ウルトラピュアな水を患者様に提供しています。

図1 RO装置:VCR-45PUFS(ダイゼンメンブラン製)

図2 PUF-01取り付け図

RO膜を通る前の、前処理の段階でもUF膜を取り付けることで、ETを低減させています。またこれはRO膜の寿命にもつながります。当院では、膜素材に親水性に優れ膜面汚れが非常に少ない酢酸セルロースを使用しています。

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図3 ダイアモンド形状ROタンク

ROタンク底面等に滞流する水や、天井に停滞する水はET発生の温床になります。そこで図の様に天井、底面をダイアモンド形状にし、天井には噴き付け口を設けることで、ROタンク内の水の停滞を極力おさえています。またROポンプの回転制御機構を設けることで、タンク内の水の滞留時間を短くしています。

洗浄消毒時は各工程に初期抜粋システムを設けており、配管内の滞留部分を削減させています。


図4 初期抜粋システム(日機装製)


また当施設ではETモニター、微粒子カウンタを用い継続的な監視を行っております。

図5 ETモニター :TOXINOMETER MINI(和光純薬工業製)

図6 微粒子カウンタ:MLC-7P(MICROTECH INC.製)

ET(endotoxin:エンドトキシン)とは

ETとはグラム陰性菌の細胞壁外膜を作っている成分で、その構造はLPS(リポポリサッカライド)と呼ばれます。このETが透析液の中に混入し、透析膜(ダイアライザー)を介して患者さんの体に入ると、マクロファージ(体の中に異物が入った時に攻撃するいわゆる防衛隊です)を刺激して下記に示すような影響を及ぼします。
 1. IL1、IIL6、IL8、TNF-αなどのメディエーター産生による発熱等の影響
 2. 酸素ラジカル(NOなど)産生による血圧低下等の影響
 3. PGE2、血小板活性化因子増加による低血圧や血液凝固
また1.に挙げられた免疫系の影響は非常に多岐にわたり、生体内で様々な作用を示します。

ETの透析液の流入を防ぐ目的で微粒子除去フィルターが使用されます。基本的にはこのフィルターはETそのものは通過させませんが、ETのフラグメント(ETの一部)などは通過してしまう可能性があります(右図)。
実はETの一部分であるLipid A(リピドA)LPS活性の中心であり、それ単体でも生体反応を示してしまう為、フラグメントも考慮していかなくてはなりません。
当院では微粒子除去フィルターでのET除去に依存せず、RO装置での水精製を徹底管理の元に行いET自体を排除しまた、患者監視装置に届くまでのET発生を抑え、ウルトラピュアな水を患者様に提供できるよう管理しております。

<参考>
基本的には、ETは透析液中でミセル会合体やdimer=サブユニットの形で存在し、みかけ上は分子量数千〜数百万になります。

 



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図7 ETフラグメントの微粒子除去フィルター透過図(イメージ)

<参考>
上図ではミセル、ダイマーの形態では記載しておりません。

 

 
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